一人っ子の気分 その①

予約していた年末から新年にかけての旅行がコロナの影響で不意になり、文句タラタラの我が家のミニーズ。

ドイツアルプスやバイエルン国立公園には雪があるのに、ドイツ政府による規制でスキー場やスケートリンクも閉鎖。

おまけに感染拡大を最小限に抑えるため、例年2週間のクリスマス休暇が8日前倒しの24日間に拡張された。

ビジネス目的以外では宿泊施設への滞在もできない。時間はあるけど旅行はできない、というジレンマ。

子供なりに理解してガマンしようとしているが、ヒマという事実は避けようがない。そしてその不満の火の粉は親に対して向けられる。

ミニーズたちの世話が余計に増えたミーだって泣きたいくらいだが、そういう時は1人で散歩に行かせてもらうことにしている。子供を家に置き1人静かに散歩ができるまで育ってくれたのは有り難いこと。もしこのコロナ禍で乳幼児がいたとしたら、ミーは絶望的な気分になっただろう。日本語で何でも話せる人がすぐ近くにいないという、外国の田舎暮らし特有の難しさだってある。

とにかく『散歩』というガス抜きをさせてもらいながら日々をやり繰りしていたが、自営業で仕事の拘束時間が長いミスターからのサポートがあまり受けられない中では、子供が始終家にいると、ミーの家事の負担が増えるのである。食事や掃除の手間が倍になると言っていいし、学校からの課題のチェックという有り難くない作業も増える。

ミニーズたちの目線だとどうだろうか?

やはり姉弟が始終一緒というのもストレスのようで、ケンカやイライラの回数が多くなったのが分かる。

どうやってこの自粛休暇を過ごそうか、と悩んでいたところ、クリスマスを一緒に祝っていた義姉タンテから、長女カナを数日預かってもいいという鶴の一声が舞い降りてきた!

すると義母のオマは、末っ子ファビアンを預かる、なんて言ってくれる。

これは関係者全員がハッピーになる嬉しい提案だった。

なぜなら義姉タンテは2人の子供たちが次々と家を出て一人暮らしを始め、子育てが一段落したと同時に少し寂しい思いをしていたし、カナもアクティブで明るいタンテが大好きだったからだ。

義母オマは10代になって反抗期に入りつつあるカナよりも、まだ甘えたがるファビアンといる方がストレスも少ないし、ファビアンもボードゲームや話にファビアンのペースで付き合ってくれるオマといるのを好んだ。

ミーは、自分の時間を享受できる、解放感に浸れることを想像するだけで、嬉しくて涙が出そうだった。

こうして全員の利害が一致し、ミーは2人が別々の日程でそれぞれに訪問できるよう日程調整をした。
ミスターとミーが子供なしの時間を楽しめるように、2人とも同じ日に預けた方がいいんじゃない?と提案されたのだが、(これは親になっても夫婦の時間を楽しもう!というドイツらしい考えである)今回はあえて1人ずつ預けることにした。

個性が出てきた今、1人ずつ家にいる機会を作ってあげたかったのだ。姉弟がいることの楽しさや、一緒にいることの窮屈さがない状態を、ミニーズたちがどう感じるのか、どんな行動をするのか興味があったのもある。

ミニーズたちは想像以上に、この提案を気に入ってくれた。1人でお泊まりできることに加え、一人っ子のように家にいれるのだから。

>>一人っ子の気分 その② に続く

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